iDeCo(イデコ)の加入条件緩和のニュースが話題になっていますね。
19年7月29日付の日経新聞に以下のような記事がありました。
現状、企業型の確定拠出年金を利用している人が個人型を使う場合、労使合意で企業型確定拠出年金を改正して、企業の拠出金の上限額を5・5万円から3・5万円に引き下げる必要があります。
社員が受け取る年金が減ってしまう可能性もありますので、企業型を利用している人のほとんどはイデコ(個人型)に加入していない現状です。
企業型を利用している人は約700万。それに対して、イデコの加入者数は約120万人にとどまっていますので、加入条件緩和で加入者数を増やすという狙いだと思います。
iDeCo(イデコ)ってどんな制度?
そもそもイデコって、どんな制度でしょう。
制度概要をまとめてみます。
積立金額 月額5,000円から1,000円単位
積立の上限 年額14万4千円~81万6千円
運用商品 自分で選べる
受取期間 60歳から70歳の間の好きな時に開始
受取方法 年金(分割受取)、一時金(一括受取)、分割と一括の併用
大まかには、このような内容です。
ただ、今回問題となっている加入条件など、イデコの制度は複雑でわかりにくいです。
iDeCoのメリットは所得控除など
主なメリットは以下の点です。
・積み立て時は、掛金が全額所得控除
・運用時は、分配金などの運用利益が非課税
・受け取り時は、一定額まで非課税
所得税の節税効果は魅力ですね。
年収500万円の会社員が30年にわたって月1万円の掛金を拠出した場合、節税効果は約70万円。これは大きいです。
iDeCoのデメリットは、60歳まで引き出せないこと
デメリットは以下の点です。
・資金拘束期間が長い
・退職金が多い人は退職控除を使えない可能性がある
・口座維持手数料、収納手数料、運用管理費用などのコストがかかる
一番大きなデメリットは、60歳まで引き出せない事です。
長期間にわたって資金が拘束され、途中でお金が必要になったから引き出すことができません。
退職控除は、2000万円が最大です。
通常の退職金が多い人は、iDeCoの合算で退職控除枠を超えてしまう可能性があります。注意が必要です。
維持管理コストについては、年間1万円程度。デメリットではありますが、所得税控除のメリットで十分に吸収できます。
iDeCoを利用してメリットがある人はどんな人?
そもそもiDeCoは、高所得のサラリーマンにメリットが大きい制度です。
所得が高く、多くの所得税を払っている人が、余裕資金として年金を積み立てて、所得税の控除になればお得ですね。
それに、自営業の人は、積立金額の上限が年間80万円程度なので、控除の恩恵も大きいです。
しかし、自営業の人は「まずは事業資金を確保したい」という人も多いと思います。
一方、所得が低い人や貯蓄が少ない人が使うのにはメリットは少なくなります。
扶養控除や住宅ローン控除を利用している低所得者は、そもそも課税所得が多くないので、メリットは少ないです。
それに、最近の統計では「貯蓄なし」の世帯が増えているようです。そのような家庭は済あ低減の貯蓄をする方が大切でしょう。
私の場合は、貯蓄、資産運用(NISA)の方が優先
私の場合で考えると、まずは貯蓄。そして、余裕資金が出来たら資産運用に回します。
金融商品であれば、積立NISAを利用するのが優先だと思います。
長期投資ですが、資金拘束がありませんので、使い勝手がいいと思います。
もちろん、NISAは投資で、iDeCoは年金ですので、そもそもの目的が違います。
私は不動産投資(アパート経営)をしていますので、その運営資金として、ある程度の金額はプールしておく必要があります。
実際には使わないかもしれませんが、「いざという時に使える事業資金」を確保しておくことは大切です。
融資をしてくれる金融機関に対しても、余裕資金があることは意味があります。
よく、「銀行は晴れの日に傘を貸して雨の日に取り上げる」と言われますが、やはり「貸しやすい人に貸す」という傾向はあります。
健全な財務体質な方が融資を受けやすくなります。
それに、アパートを持っていると、将来的には年金のような役割をしてくれます。
借金がない小さいアパートを持っているだけで、十分に個人年金となり得ます。
もちろん、立地などの条件次第ですが・・・。
自分で考え、自分で判断する
今回のイデコの加入条件緩和は「検討している」という段階です。
まだ、不確定の要素が大きいようです。
少し前から「年金2000万円不足問題」なども話題にあがっていますが、それは金融庁の報告書が発端でした。
この報告書には批判や賛否もありましたが、基本的に国の政策は「公的年金は先細りするので、自分で準備してほしい」という方向になりそうです。
最近、年金不安説が再燃したことで、iDeCoやNISAをはじめる人が増えています。
金融商品をはじめ、いろいろな投資商品がありますが、どの商品や制度にしても、「みんながやってるから」という基準ではなく、自分で考え、自分にとって利益になるかを考えましょう。
保険も同じですが、セールストークを鵜呑みにしてはいけません。
大切なお金であるからこそ、自分で勉強して、守り、増やしましょう。
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